大阪方面から上りの夜行長距離列車が品川駅に進入してきた。長旅も終着まであと少し。
夜行列車を懐かしく思うことがあるが、実際はスハ43やナハ11の窮屈なボックスシートで
身悶えする難行苦行の旅だった。いま人気の豪華寝台列車の旅とは大違いだった。

　東海道本線を走る夜行列車は今や「サンライズ瀬戸・出雲」1往復だけとなった。
ターミナルから毎晩出発する長距離夜行バスが賑わっており需要はあると思うのだが…。
　50年前に同じ跨線橋から望んだアングルが辛うじて残っていた。

　昭和40年代に国鉄輸送力増強のため蒸気機関車の廃止が急速に進み（動力車近代化計画）
同時に空前のSLブームが起き各地でさよならSL列車が運行された。
東海道本線の東京〜横浜で運行された「さよなら蒸気機関車」は凄い騒ぎだった。

　50年前の古戦場品川駅もすっかり変貌を遂げていた。
新幹線の品川駅が(平成15年)に開業し、巨大な駅ビルがそびえ立っていた。
それでもかつての撮影アングルを探すと昔の光景が感じ取れた。

　上の写真の続きのショットだが、「鉄」が注目するのはD51が牽引して去り行く旧型客車の後ろ姿、
“さよなら蒸気機関車”をエスコートして走る左側の0系新幹線、
右側の１０１系（クーラー無装備で窓を全開にしているのに注目!!）などの詳細点であろう。

　走る電車が規格化され、快適だが何となく味気ない感じを受ける。
新幹線は囲われて見えなくなり、林立する電線支柱がかなり目障りになった。
メンテナンスや騒音の軽減優先なのは判るのだが,残念至極である。