 平林駅に到着した201レ 列車は途中駅で何回も給水を行い、その度に10分から15分間も停車した。 「春のダイヤ改正で7分間短縮！」とはかけ離れた世界であった。  平林駅の山査子（さんざし）売り サンザシは小さなリンゴに似た木の実で、長いくしに刺して飴をからめた 菓子は満州の冬の名物だそうだ。60年前に満蒙開拓団に加わった私の 叔父から聞いた話である。 一串の値段は約3円だった。60年前の菓子の味は、甘酸っぱかった。  森林鉄道の客車 762mmゲージと言えども中国の標準仕様客車で、かつては全土で見られ たが、ナローゲージが急速に廃止されている現在では貴重品であろう。 丁度日本の都市バスくらいの車体に小さなクロスシートが並び、窓は厳寒地 らしく二重窓、客車ごとに暖房用ボイラーがあって荷物棚の上にスチームパイプ が通っていた。壊れたのか盗まれたのか、天井には一つも電球が無かった。 |
201レの運行時刻 (2002/01/21) 0km 客運駅 ８：００ １ 葦河 ８：０５ 3.7 珍珠 ８：２０ 9.8 新立 ８：３６ 17.7 西平 ８：４８ 24 平林 ９：１５ ２５ 30 双峰 ９：４０ ４５ 38 東風 １０：０７ 47 青山 １０：３０ 56 沖河 １０：５３ １１：０１ 68 楡林 １１：３２ 73 柳山 １１：４０ （折り返し202レ） １１：４５ 客運駅 １５：３０ |
| ・ |
|
 |
|
| 終点の柳山駅 葦河森林鉄道は、柳川駅で唐突に終わっていた。目の前には山が迫り、 駅前に小さな集落があった。士幌線の十勝三股駅を思い出してしまった。 到着した列車は慌ただしく機関車を付け替えると、再び葦河目指して山を 下って行った。 |
|
 |