長列爆双煙、夕陽赤若丹。鉱車頻過処、白雪映天山。 　冒頭の漢詩は五言絶句の様式でハミの光景を詠ったものです。 今回ガイドを務めてくれた孔　憲科さんは、日本鉄顔負けの「中国鉄」ですが、 故郷の承徳市では五言絶句協会の副会長でもあります。 　五言絶句は厳密な構成と韻律が定められており、中国語で吟じると素晴らしい リズムが顕れます。 　この詩には"哈密露天煤鉱蒸気機車撮影"と付記されており、様式を踏まえながら 「鉄」の心で詠んだ「鉄」の詩は、我々にも意味が判りやすい名人の技です。

長大な列車から二本の爆煙が立ち上る。

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この日は砂漠に強い風が吹き荒れて二条の煙が真横に靡(なび)く。

石と砂だけの不毛の大地に炭鉱が開かれ、長大な列車が鉄路を踏みしめる。

建設型(JS)より一回り小柄な上游型(SY)が先頭に立った。空車が３６両を超えるとプッシュプルが 運用されるそうだが、この日はぎりぎりの３７両編成だった。

三道嶺露天煤鉱と国鉄柳樹泉駅を結ぶ連絡線の正式な名称は遂に判らなかったので 我々は勝手に柳樹泉線と呼んでいた。 　柳樹泉線が中国で最後のSLプッシュプル運転鉄路になるのか。そして世界で最後の･･･。

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