悲劇・その１

2005年12月28日　太古鉄路　古窯子西方

写真からは絶対に寒さが伝わってこない（写真が下手だからとも言う）寒い寒い寒い モウス砂漠で汽車を待つこと4時間、砂丘の向こうにようやく煙が上がった。 折りしも風は止み、光線はバリ順状態。快晴無風のシャッターチャンスに恵まれた・・・ 汽車は白煙を棚引かせて長大な築堤にさしかかり、ボイラーと動輪の間が透けて見えた〜！！

さ〜横一線絶好のポジションからシャッターチャンスは今ぞ！！

と、その瞬間、

どばぶしゅざわわわ〜！、ずばずばずばずば、ずばばば〜っ！、 しゃばだばだ〜っ！！

なんと、前進型が眼前で猛烈な勢いで蒸気を噴出したのです。 これはブローオフという中国の汽車独特の運転操作です。 日本の出発ドレーンより何倍も勇壮なので、運良くブローオフに遭遇した時は 「やったぜ！」と握手を交わします。正面から撮れれば、の場合ですが。

「編成が全部隠れちまった」「こんなのアリかあ？！」「4時間だぞ、4時間待ったのに」 「うそだろ〜」「力行中のブローオフなど聞いた事が無い」

機材を撤収し呆然とした面持ちで土手を上がると、築堤上正面から撮影に成功した仲間が 喜びに顔を輝かせて手を差し伸べてきた。「やったぜ！今日は幸運な一日だ！！」

そして、1年後に悲劇は再び起こった！！

悲劇・その２

2006年12月28日　充州煤業鉄路　興隆庄炭鉱西方

太古鉄路から1年後、河南省の充州（Yan shou)を訪れるチャンスが与えられた。 集通鉄路のような豪快な峠越えも無く、太古鉄路のような秘境の雰囲気も無い 炭鉱鉄道だったが、2度と見ることは無いと諦めていた前進型の姿に感動した。 夕陽が空を染めるころ、最後の撮影となる石炭列車が築堤をゆっくりと下ってきた。 前進型のシルエットが茜空にくっきりと浮かび、ボイラーと動輪の間が透けて見えた〜！！

と、その瞬間、

どばぶしゅざわわわ〜！、ずばずばずばずば、ずばばば〜っ！、 しゃばだっ、しゃばだっ、しゃばだばだ〜っ！！

機材を撤収し放心状態で土手を上がると、築堤上正面から撮影に成功した仲間が 複雑な表情で手を差し伸べた。「またやったぜ！今日は去年と同じ日だったな。・・・・」

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