1969(昭和44年）

常磐線、東北本線が相次いで電化された後、（第一次）ＳＬブームが最高潮に達していた時期だった。鉄道誌には毎月撮影地ガイドが載り、「ＳＬ」という言葉が定着したのもこの頃ではなかろうか。Ｃ６２急行「ニセコ」の人気も高まる一方であった。厳冬期の上目名、そして稲穂稜は｢鉄」にとっては死ぬまでに一度は行きたい所となった。

当時最も有名だった上目名の撮影ポイント。それでも撮影者は他にだれもいなかった。吹雪の中で待つこと2時間あまり、本当にジェット機のようなエクゾーストを轟かせ、安全弁から高圧蒸気を吹きあげる急行「ニセコ」の姿に震えるような興奮をおぼえた。目名〜上目名　1969(昭和44年）3月　　次へ